西手良豊展

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西手良豊展「浮遊する木野子」

2011126日(火)~1211日(日)

11:00-19:00(最終日18:00まで)


●キノコ

キノコは不思議な生き物で、植物でも動物でもない。菌類という微生物の仲間だ。

キノコは地球に6000万年前(白亜紀)に誕生し、木と共に森をつくり、森と共生し、地球の土と緑を作ってき

た。


●キノコが浮かぶ

版画を始めるなら、銅版画の漆黒の空間に「キノコが浮かぶ」イメージを表現したいと考えていた。

音もなく、時が止まったような漆黒の版画空間には、モチーフは地面にあるよりも空間に浮かんでいる方がふ

さわしい。空間にキノコが浮かぶと、キノコはそのリアリティ(現実感)を失い、空想や想像の世界に変わ

る。

この「キノコが浮かぶ」アイデアは北欧にいた頃思いついたが、どう表現すれば良いのか、わからなか

った。

その後、時々思い出しては消え、今日まで来てしまった。

制作し始めると、イメージは予想以上に広がった。はじめは「キノコが浮かぶ」ことは空想、想像の世

界だと思ったが、最近では「キノコは本当に浮かんだり、飛んだりしている。けれど私達に見えないだけ

だ。」と思うようになっている。


●浮遊する木野子(きのこ)

私が描くキノコは、きのこ、キノコ、茸ではなく、木や野を連想できる「木野子」がふさわしいと思

った。

英題は「FLYING  MUSHROOMS」「飛ぶ木野子」にした。実は「浮かぶ」にするか「飛ぶ」にするか、

随分悩んだ。

漆黒の空間に漂う感じには「浮かぶ」が良く、日本題を「浮遊する木野子」にした。英題は、より自由に空間

を飛ぶ「飛ぶ木野子」にした。銅版画では「浮遊」、リトグラフでは「飛ぶ」感じが強く出ていると思う。





西手良豊/Yoshitoyo Nishite

インダストリアルデザイナー、女子美術大学非常勤講師

版画家 リトグラフ、銅版画を中心に制作。

東京生まれ。横浜在住。

東京教育大学教育学部卒業後、(株)東芝デザインセンター 

スウェーデン国立美術大学留学




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