ギロ個展/GADGET DANCE

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ギロ個展/GADGET DANCE(ガジェットダンス)

2014/05/20(火)~05/25(日)

11:00~19:00(最終日〜18:00


初日5月20日(火)にオープニングイベント18:00~20:00やります。
 19:00~20:00ショータイム アートギャラリーだし無料でやります!!!

【出演者】
 Karan Terata (一輪車世界大会一位、主演もこなす有名事務所女優)
 MIWA ROCK (人気バーレスクダンサー)
 KEISUKE(ロボットダンスのニューヒーロー)
 KiKi(フェティッシュスタイルを好むBlack Magic Dancer)
 古橋 絵梨奈(モデル兼ダンサーで国内外で活躍H170)
 Christi Ray(SUPREME銀河系showダンサー)、
 バンドネオン(バークレイ音楽大学出身さすらいアコーディオン)ほか


写真・映像・おもしろガジェットの展示・
スパイス程度のインスタレーション

ギロ個展 GADGET DANCE(ガジェットダンス)に寄せて
子どもの頃に人形が動きだす夢を見た。

その人形はおさげの女の子で、とてもまつ毛が長かった。
白い頬いっぱいに影を落とすほどに。
深くは聞けなかったけれど、
人形で歩けないのに自分の家に帰る方法を探しに旅に出るらしい。
半ば壊れている仲間たちを引き連れて。

その時ぼくは確かに聞いた。壊れかかったバイオリンの嬌声を。
すると額から滴り落ちる赤い鮮血とともに人形は歩きだした。
揺れる彼女の立ち姿は『キャリー』のあの少女へと変貌した。

そして時は流れ、夢は消える。

今、僕の机の上にある沢山の電子ガジェットたち。
複雑に見えてシンプル。
おもちゃのようでいて本物の機能をもつ。
時にはキュートさで癒しだって提供する。
短編のショートオムニバスのように、
子どもだったぼくやキミにあの日見た夢のかけらを目の前に映し出す。
ミニチュアの電子バイオリンの1弦はクラウンの嬌声のように響くのである。
 
GADGET DANCE(ガジェットダンス)とは
消えてしまったおもちゃの夢を再生させる
大人のためのファンタジー。

実写のリアルダンサー・俳優・プロモデル、そして
バーチャルキャラクター(3DCG)で表現した身近な夢のミラーボール。

GADGET DANCEの意味
 YMOの「テクノポリス」から30年、東京はGADGET CITYに生まれ変わるべきだ。
 産業の表層部分でことごとく国際競争に負けつづけている日本だが、
 文化面を見ると
 音楽、映画、娯楽面で文化的植民地的状況が改善したわけではない。
 楽曲そのものが国境なくヒットチャートを席巻することは夢のまた夢である。

 iOS で神アプリのひとつ、「カオシレーター」だが、
 ガラケーで遅れをとったスマートフォン開発のなかで唯一世界基準で成功したアプリだ。
 電子楽器を名作を発表し続けているkorg。

 特にガジェット楽器と呼ばれる領域においては独壇場といえる。
 VOLCA BEATS,BASS,KEYS  本物の音でここまで遊べるか!!
 ミニレプリカのMS20 これらはソフトウェアに対しての実機でカウンターになっているうえに場所を問わず楽しめる。ハイエンドばかり追求するのではなく、ニーズに最適な大きさ、ここにはダウングレード、ダウンサイジングとすべて満たしているように思える。
 FIT という車があったがあの感覚である。

 korgの2013年クリスマス近くに発売された「Little Bits」はマグネット式の電子ブロックだ。
 なんとこれがシンセサイザーなのである。マグネットによるブロックの配列を変えると計算された音が作れるのだ。
 これは90年代以降の方法論である、サンプリングとリミックスのあまりにも分かりやすい図式だ。
 音源制作においてサンプルと呼ばれるパーツを購入し、ユニット化することで楽曲を構成していく

 実はこの方法論こそ社会の縮図になっていることはあまり指摘されていない。
 IT革命と規制緩和による表計算のエクセルに代表される項目の分類法により欠落している部分はユニットで補充するのである。
 人材もひとつのサンプルとして認識されている。
 その結果なにがおこったか?
 均一化は文化面においても社会面においても突出した個性の頭を殴打している。社会経済の停滞。
 「Little Bits」で出音を聴くと以外と素朴な音に驚く。洗練さと無縁な音。
 ほっとしたのだ。楽曲制作にそのままつかえるような音はなく、
 これって図式ブロックで再現したのではなく、命を吹き込む過程だとわかる。
 そうこれから何かを産み出すの状態だ。ここにこれは連れていってくれるわけだ。


 コンテンツはスマートフォンで時間をシェアする時代だ。
 芸術もその大きさに合わせたがジェット表現があってもいいのだ。

 今回提案する GADGET DANCE 
 移植された文化であるダンスを再構築させたい欲求がある。
 裾野の拡大とともにダンス文化が花開いているように見えるが
 NewYorkのオリジネーターのダンスをただ再現しただけのものが多いも事実。
 まず、ガジェットに近いフォーマットで見直してみよう。

 GADGET DANCE 実写映像版は、一発どり、繋いだだけでポスプロなしの無編集。
 写真のモデルのプロダンサーのリアルダンスを確認できる。

 KINECTモーションキャプチャーシステムにより、来場者が、バーチャルダンス空間に参加することが可能になる。ここで自由なガジェットダンスを踊ることができる。ここでのからだの動きは、モーションデータで記録することもでき、アバターとしてのCGキャラで鑑賞も出来、ムービーファイルで書き出しコンテンツとして所有もできるのだ。

「GADGET DANCE」の意味とは、日本発のコンテンツにつくるための「夢の仮説」ともいえよう。  STAP細胞のように。
 夢は夢でおわるのか? ノーである。分子料理法を引用しよう。(分子料理法:ある素材に何らかの力を加えて別の分子状態に変化させること=料理。という発想で、既成概念にとらわれない料理法、それが料理の色や香り、味、食感にどう反映するか研究したり。その成果をもとに、新しい料理を創造してく)
 この現代美術のようなコンセプト主体の料理法が、ある一角を占めていることを忘れてはならない。

 リアルガジェットとして、世界視野の商業ベースでも唯一成功している、キャリーぱみゅぱみゅ、パヒューム、初音ミクの存在も付け加えておこう。


 ガジェットダンスの考え方は、ダンスに限定されたものではなく、あらゆるジャンルのさまざまな領域に応用できる。
 そのためにまず、やらなきゃいけないこと!!!!
 そう、ガジェットで遊ぶことです!!!!おもしろガジェット展示はそのためです!!
 どんどん遊んでください!!

 YMOの「テクノポリス」から30年、東京はGADGET CITYに生まれ変わるときなのだ。


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GUIRO(ギロ)


Art Drector、写真作家・映像作家、3DCG-Creator

 http://www.syrupdrop.net/



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