DOUBLE SOLO Exhibition Motohiro Hayakawa & Tetsunori Tawaraya "PARANOID REPORT"

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DOUBLE SOLO Exhibition
Motohiro Hayakawa & Tetsunori Tawaraya 
"PARANOID REPORT" 

2018年8月21日(火)〜9月2日(日)※8月27日(月)休廊
11:00~19:00(最終日18:00まで)

*オープニング・レセプション:8/25(土)17:00~20:00



既存の流通システムに中指を立て、
規制に縛られることのない
自由な本作りをポリシーとし、
仏マルセイユを拠点に自費出版としては
驚くべきワールドワイドな規模で
出版活動を25年に渡り展開してきた
「ル・デルニエ・クリ」の首領パキート・ボリノは、
日本の二人の絵描き──早川モトヒロと俵谷哲典を
"新世代の怪獣職人"たちと評する。

早川の作品にはいつも夥しい数の
怪獣、怪人、ヒトのようなものたちが登場し、
名もなき戦争を繰り広げている。
その戦場の景色を神の視点から見つめ
ヒエログリフが如く記録するのが早川の仕事だが、
"新作"を投入しながらも
レゴのような無限の組み合わせを可能とする
このファミコン的な構図こそが
彼の発明なのかもしれない。

一方、グラフィックの制作と
音楽活動を並行して継続する俵谷は、
やはりその表現のアウトプットの多さに驚かされる。
漫画、フライヤー、レコードのカバーアート、
フィギュア、スケートボード、洋服...などなど、
あらゆる場所に絵を描き、自身の内面に広がる
もう一つの世界を多角的に照射し、
浮かび上がらせるのが彼のやり方なのだ。

その世界を自由に闊歩しているであろう
彼のキャラクターたちは、
全身又はバストアップ或いは顔面のアップが多いので、
実はそれらがタワラヤ視点による
セルフポートレート群なのではないかと
僕は訝しんでいる。

意外なことに日本では初の共演となる両者の、
平成最後の真夏に開催されるこの二人展。
共作はこのフライヤーに掲載された作品一点のみ
なのだそう。

となれば、見どころは
二人の世界が一つの空間でどのように共存、
反発しあうのかという点だろうか。

タンバリン・ギャラリーで二人に会ったら
聞いてみたいことがある。
それは僕がいつもル・デルニエ・クリの
アーティストたちを取材する際に
必ずしている同じ質問だ。

「あなたが描くキャラクターやモンスターたちには
それぞれ名前があるのでしょうか?」

こんな単純な問いかけが、
異界への扉を開く鍵になることを僕は知っている。


(アート倉持|「ル・デルニエ・クリの人びと」著者)




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早川モトヒロ / Motohiro Hayakawa

1974年山口県生まれ。山口芸術短期大学卒業。
2000年東京を拠点に
イラストレーターとして活動をスタート。 
近年は展覧会やライブペインティングなど
アーティストとして国内外を問わず活躍中。 
特にフランス、スペインなどでは高い評価を得ていて
個展は固より画集が刊行するなど海外からの期待も高い。

https://www.instagram.com/moto583motohiro



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俵谷 哲典 / Tetsunori Tawaraya

宮城県出身、東京都在住のアーティスト。
1999年にカリフォルニア州サンディエゴにて
人々やミュージシャンのポートレートを描き始める。
東京を拠点としたノイズロックバンド2UP(アップアップ)、
またサンディエゴを拠点のパンクバンド
Dmonstrations(デモンストレーションズ)にて
ミュージシャン活動する傍、意欲的に
SF/実験コミックを作り、ライブ会場にて販売する。
彼のSFコミックの1コマが
アメリカンロックバンドThee Oh Seesの
アルバムアートワークに起用されるなど、
独自の世界観が評価されている。
Hollow Press、Le Dernier Cri、Colour Codeから
シルクスクリーンやリソグラフを用いて、
色彩豊かなアートブックが出版されている。
その他、Brain Dead、Volcom、NTS Radioと
アーティストコラボレーションを行うなど、
多分野において活動している。

https://tetsunoritawaraya.com/


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